ゴルフ場付帯クラブハウスの新築設計

東京クラシック 森のクラブハウス

TOKYO CLASSIC ForestClubhouse

森のクラブハウス ファサード
森のクラブハウスを西側より見る。天井高さ 3,450mm、内部の木製コア及びサッシ無目の高さは2,400mmとし、奥側のグリーンが 透け見える形としている。300mm角の柱及び見付け300mmの梁上部の芝マウンドにより樹冠に建築を馴染ませるデザイン。
俯瞰。右に森のクラブハウス、左に馬主クラブ。グリッド上に並ぶ樹木から圃場として活用されていたときの名残が見られる。
OSB 仕上げの木製コアは商品展示什器及び設備コアスペースとして機能している。
アンジュレーションをイメージした基壇、GL+700の1FLより+3.750 のテラスFL。地上より+4.450のテラスは樹冠に抱かれたツリーハウス的空間を獲得した。そこに至る鉄骨階段は既存樹木を縫うように進み、屋上の芝棟を通して対面の2階屋を認識する構成となっている。
配置図
1階平面図
2階平面図

親子3代が楽しめるクラブライフを目指し、ゴルフクラブの付帯アクティビティコンテンツとして設計された2つの建築。アニマルウェルフェアの概念に則り設計された馬主クラブ(厩舎)では、引退馬を中心とした温厚な馬たちがゲストを出迎える。全体のランドスケープのなかで乗馬体験からゴルフ場内のホーストレッキングも可能とする馬場及び外乗ルートの確保が計画されている。馬糞堆肥を使った農園でつくられた野菜を森のクラブハウスで調理したり、ボルダリングやワークショップ及び託児スペースが完備され、子どもたちが元気に遊べる環境づくりがなされている。インフィルはクラブの成熟に伴い、姿を変えやすいプランニングがなされている。

国際都市でありながら成熟度に欠けるといわれるオフタイムの過ごし方をあらため、これまでのゴルフ場にはない真のカントリークラブライフを実現する。そんなオーナーの思いを頼りに、この2つの建築及び付帯施設の計画がスタートした。乗馬クラブと畑を核とした森のクラブハウスをつくる構想を受け、里道を挟み西側の杉の植林帯には厩舎及び馬場を、東のシラカシの植林帯にはクラブハウスを、植林のグリッドに沿い、程よい距離感で向かい合うランドスケープデザインが決まった。

森のクラブハウスにおいては、求められた受付、物販、休憩、調理、託児、工作などの諸機能が森のなかに透け、浮かび上がる透明な箱をつくりたいと考えた。4mピッチ300mm角のコンクリート柱が梁成300mmの床を支えるシンプルな構造スケルトンに、設備機器を内包した木製コアが諸機能を決定づけるプランニングを採用。新たにはめ込まれた建築は粗野な仕上げ感を伴って、かつてからそこにあったかのような、そして植林の反復であるかのような建築様式を成立させるに至った。

馬糞を畑の肥料として活用、収穫した野菜類が森のクラブハウスで調理される流れが、そのままアプローチを構成している。また馬主クラブ棟から外乗するルート及びゴルフ場から各施設、エリアへのアプローチを示すサインなど、コンセプトに沿いデザインを構築した。

所在地千葉市若葉区
竣工2016.12
施工松村組
敷地面積9,261.33㎡
建築面積333.55㎡
延床面積352.00㎡
構造鉄筋コンクリート造
First Sketch
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