切妻屋根の背後の地下蔵も酒樂棟と同様に地形化を試みた。高さ3mを超える地形のレベル差を活用し土の中に埋まる醸造蔵を設計。
シャンパーニュ製法を応用し低温熟成される発砲日本酒の貯蔵および酒粕焼酎を熟成する木製樽の貯蔵が目的のスペースである。トンネル建設の鋼製型枠を使用し地形と収納効率より設定された曲率によるアーチ構造。土の保温力および空調機補助により11~15度の室温を保つ。
ファサード壁にはかつて同町内の黒龍酒造本社にあった木造醸造蔵の床板を型枠に使用。内部の温度差による結露対策として地域の土蔵の栗の古材をサッシに使用するなど、古材活用を積極的に行っている。
地場建設会社のトンネル工法技術が成し得た空間に新しい酒造りの技術が成熟されていく。そんな地方文化醸成の一助となる建築の形を目指した。
所在地 | 福井県吉田郡永平寺町 |
用途 | 倉庫 |
竣工 | 2022.04 |
施工 | 西村組 |
敷地面積 | 8,207.45㎡ |
建築面積 | 412.04㎡ |
延床面積 | 408.7㎡ |