原風景にお邪魔する

黒龍酒造 ESHIKOTO プロジェクト 地下蔵

Kokuryu ESHIKOTO Project CAVE

地下蔵西側外観
ドライエリアから南を見る。奥には臥龍棟が見える
エントランスを見る。かつての木造醸造蔵の床板を中央の扉に貼った他、コンクリートの型枠に使用。
トンネルの型枠は再生可能な鋼製型枠を使用。扉はかつての木造醸造蔵の床材を、サッシは県内の明治期の土蔵の栗の柱材を転用。
ESHIKOTOプロジェクト 配置図
平面図

切妻屋根の背後の地下蔵も酒樂棟と同様に地形化を試みた。高さ3mを超える地形のレベル差を活用し土の中に埋まる醸造蔵を設計。
シャンパーニュ製法を応用し低温熟成される発砲日本酒の貯蔵および酒粕焼酎を熟成する木製樽の貯蔵が目的のスペースである。トンネル建設の鋼製型枠を使用し地形と収納効率より設定された曲率によるアーチ構造。土の保温力および空調機補助により11~15度の室温を保つ。
ファサード壁にはかつて同町内の黒龍酒造本社にあった木造醸造蔵の床板を型枠に使用。内部の温度差による結露対策として地域の土蔵の栗の古材をサッシに使用するなど、古材活用を積極的に行っている。
地場建設会社のトンネル工法技術が成し得た空間に新しい酒造りの技術が成熟されていく。そんな地方文化醸成の一助となる建築の形を目指した。

竣工2022年4月
所在地 福井県吉田郡永平寺町
用途倉庫
構造RC造
敷地面積8,207.45㎡
建築面積412.04㎡
延床面積408.7㎡
階数地下1階
意匠設計・監理古谷デザイン建築設計事務所/古谷俊一 豊島香代子 秋真人 茂木大樹
構造設計KAP/萩生田秀之 眞船峻
設備設計ZO設計室/伊藤敦子 黒木靖子 松平秀樹
照明設計NEW LIGHNT POTTERY/冨永裕幸 奈良千寿
施工コーディネーター工房加賀/加賀宏
施工西村組/水野正宏 吉澤邦彦
空調・衛生設備工事斉藤設備機工/長谷川敏隆
電気工事酒井電機/山田正人
内装工事ID空創/石田栄一 中野盛幸
植栽工事夢庭カヤノヒメ/橋本武志