原風景にお邪魔する

黒龍酒造 ESHIKOTO プロジェクト 酒樂棟

Kokuryu ESHIKOTO Project Shuraku-tou

南西俯瞰。手前に九頭竜川、奥に浄法寺山を見る。
屋根とテラスの大きな板が山間に口を広げたような外観。この建築を中心に酒文化の発信が行われる。
2階中央階段よりテラスを見る
東側よりデッキテラスを見る。ベンチスペースは仕上げ材も含めた厚みを抑えるため鉄筋コンクリート造とした。柱のスパンは4.8m。テラスは長手方向に長さ52m。
1階テラススペース
レストラン「acoya」より景観を眺める
ショップからイートインスペースを見る。東西南面をガラスとし眺望を確保した。床の仕上げは地域の石蔵解体時に発生した笏谷石を使用。

酒造りの原材料となる棚田(米)と九頭竜川の流れ(水)そしてその水を生み出す山々の木々。
それらの景観をすっと引き込むため、200mm×200mm、4.8m ピッチの鉄骨ラーメンが最大積雪2.25m の無落雪屋根を支えるスレンダーな構造である。飲食スペースからも景観を楽しめるようにテラスの四周は一段落ちたコンクリートの片持ちスラブが張り出されており、ベンチに座った人影が店内からの眺望を遮らないようにしている。そのスラブラインがそのまま棚田と同調し約50m の大きな涼み台のように棚田に浮かんでいる。
テラスの軒下となる 1 階には必要最低限の諸室を設けた他はおおよそ周囲のランドスケープ( 土中の岩石、棚田の畝を構成する野草) が貫入し、前面の広場から景観とともに人々が建物に引き込まれていく。
棚田の一面が浮遊し突き出したような格好の建築は季節や太陽の角度によって刻々と移り変わる風景を楽しみながらお酒を楽しむ場として「酒楽棟」と名付けられた。日本酒の製造、試飲、販売、飲食及び休憩などの機能を内包する室内と甲板のようなテラスがセットになった建築である。
スギを中心とした山々のみどりと悠々と流れる九頭竜川、サクラやアジサイに彩られる鮎街道。これらの景観が室内外を区切るガラスに透過反射し、映像のような景観と実際の景観が折り重なり現れる。

所在地福井県吉田郡永平寺町
用途飲食店舗 物販店舗
敷地面積8,029.23㎡
建築面積1,117.53㎡
延床面積1,502.05㎡
First Sketch
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