休息のための建築

大森ロッヂ インターバルハウス

INTERVAL HOUSE

大田区大森西。京急電鉄「大森町駅」から至近 の住宅密集地にインターバルハウスはある。
西側道路を介して面する、店舗付き2戸長屋「運ぶ家」(写真右 『新建築』1508)と同一ヴォリュームの3層木造住宅である。
3階住居内観。宝形屋根の欠けが日照を室内に引き込む。
1階アトリエ内観
1階アトリエ内観。インドアグリーンのナーセリーとしても使われる。

2008年より隣り合う「大森ロッヂ」(『新建築』1103)の植栽計画に始まり幾つかの棟の賃貸企画を行なってきた。2015年に新たに街に開くコーポラティブ型賃貸住宅として「運ぶ家」を設計。飲食店の店主が上階に住む形態ですっかり街に馴染んでいる。
その対面に自邸を設計する機会を得た私は、狛犬のように公道に対峙し街にアピールするふたつの建築のありようの中に、大森ロッヂ一連の路地というコンセプトを融合させようと考えた。いわば大森ロッヂの庭のような建築である。庭のような建築がその緑とともに程よい合間(インターバル)を作り出し各々の関係性を柔らかなものにする。

1階アトリエはインドアグリーンのナーセリー(休息場)としても活用され、敷地の余白ではナーセリーポット(生産者用仕立鉢)に植えこまれた果樹が実験的に配されている。これらの植物は我々が生業とする植栽設計施工の資材として将来活用されるまで路地の緑として街に対峙する。

一方裳階のような1階に載る上階の住居ではボリュームの欠けにより隣家との間を作り出す設計としている。その欠けが運ぶ家の2階テラスとつながり、踏襲した露出柱の意匠とともに3階テラス空中庭園まで路地(庭)が上昇するかのような錯覚を期待している。その欠けは日照を室内に引き込み、周囲に対する景色の抜けを作り出す。室内動線は宝形屋根の稜線に従い45度に振られたプランに沿って進み、外部を認知しながら居住スペースに至る。結果ジグザク状になった3階スペースではテラスや庭を通して、思いのままの向きで周囲との合間や接点を作り居心地のよい休息スペースを作り出している。運ぶ家との時間的間隔。対峙する都市との空間的間隔。仕事と生活の合間。定住思考が薄れつかの間の休息の場として住宅があるかの感覚。そのような意味を込めてこの建築をインターバルハウスと名付ける。

所在地東京都大田区
敷地面積158.48㎡
建築面積57.36㎡
延床面積142.05㎡
構造在来軸組構法
竣工2019年
First Sketch
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