木造賃貸アパートのリノベーション

キクラス元住吉

KIKURASU Motosumiyoshi

バルコニー手摺壁を改変。アパートメントのワンユニットの見え方がおおらかになるように工夫した。屋根の色、開渠のフェンスの色、アスファルトの色とも似合うカラフルさを目指した。
専有庭の通風を確保するため、旧来の大和壁方式を採用。再生木材に定着する塗材にて着色を行った。塀下には斑入りヤブランやローズマリーを植え込み、風通しの可視化を狙った。
既存アスファルトを一部ハツリ庭の地面とつながる柔らかな仕上げに変更
集合ポストコーナーには雨樋を活用したハンギングプランターを設置
物干し部には止まり木を設置。鳥のさえずりで朝の目覚めを
土間プラン。入口を背にリビングダイニングを見る。大きな土間と小上りの空間構成。間仕切り壁を取り払い、構造壁はグレー色に塗装している。
平面図

租税公課の仕組みに起因し、大量に供給されてきた木造のアパートメント。需要に応えつくる時代から需要に受け入れられる時代のなかで、形骸化している街の建築は数知れない。本プロジェクトでは築25年が経過している賃貸住宅の設備の改変とスタイルの変容に追従するプランのフレキシビリティが求められた。典型的な2DKプラン38㎡を改変し、空間を最大効率化することを目指した。例えば1階DKの床をとり払い土間スペースとして一体化することや、2階小屋裏をとり払い空間ボリュームを拡幅することである。外観はリノベーションの意思と住人のスタイル集積をイメージし、おもちゃ箱をひっくり返したようなウイットを街に提供した。

所在地神奈川県川崎市
竣工2012.07
施工山田建設
用途共同住宅(リノベーション)
構造既存木造
敷地面積674.07㎡
建築面積274.71㎡
延床面積437.22㎡
階数地上2階
Sketch
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